女に興味がないわけではないし、知らぬわけではない。
だが、想い合えない相手と、添う気はない。
そう思うのは、母の姿を見ているからだろう。
意に添わない縁組みは、自分を不幸にするだけでなく、生い立つ子の心にも影を落とす。
そんなことをくり返したくはないから。
異界から連れてきた皇女に、想いをよせているわけではない。
異母兄である蘇芳の一方的な求婚におびえる少女の姿が、母に重なったからだ。だから護ってやりたいと思った。
それだけだ。それだけのはずなのに、あの時———
落雷を告げる大気の流れ。自分の腕の中で震える少女。
とっさに体が動いた。玄武が、動いた。
なぜなのか———
だが、想い合えない相手と、添う気はない。
そう思うのは、母の姿を見ているからだろう。
意に添わない縁組みは、自分を不幸にするだけでなく、生い立つ子の心にも影を落とす。
そんなことをくり返したくはないから。
異界から連れてきた皇女に、想いをよせているわけではない。
異母兄である蘇芳の一方的な求婚におびえる少女の姿が、母に重なったからだ。だから護ってやりたいと思った。
それだけだ。それだけのはずなのに、あの時———
落雷を告げる大気の流れ。自分の腕の中で震える少女。
とっさに体が動いた。玄武が、動いた。
なぜなのか———



![he said , she said[完結編]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1737557-thumb.jpg?t=20250401005900)