籠のなかの小鳥は

女に興味がないわけではないし、知らぬわけではない。

だが、想い合えない相手と、添う気はない。
そう思うのは、母の姿を見ているからだろう。


意に添わない縁組みは、自分を不幸にするだけでなく、生い立つ子の心にも影を落とす。

そんなことをくり返したくはないから。


異界から連れてきた皇女に、想いをよせているわけではない。

異母兄である蘇芳の一方的な求婚におびえる少女の姿が、母に重なったからだ。だから護ってやりたいと思った。


それだけだ。それだけのはずなのに、あの時———


落雷を告げる大気の流れ。自分の腕の中で震える少女。


とっさに体が動いた。玄武が、動いた。



なぜなのか———