籠のなかの小鳥は

むろん見舞いや看病を切望した小鳥であったが、かづらに「姫様、なりません」とたしなめられた。

姫君が男性のもとへ足をはこぶのは、【夜のお召し】のときのみ。
つまり定まる仲の男女でなければ、許されないのだ。


玄武が身を挺して護ってくれなければ、自分や常寧殿のものたちは、どうなっていたか分からないのに。
会って礼を言うこともできない。不自由な身の上である。


ならばせめて、と女房ではなく枢に見舞いの文を届けさせることにした。


文を書くのは、午前中。書いているのを蘇芳に見つかったら、取り上げられるからだ。

「なんだそれは」
目つきがとたんに剣呑になる。

黒の宮様への見舞いの文を・・・と口ごもりながら答える。

「昴に文を書く時間があるなら、俺に書けばいい」

そんな子どものようなことを・・・思わずこぼした。

「お前は俺の后になる身だというのに」

「あ、赤の宮様、それとこれとは・・・」

「ふん、やかましい」
と文を握りつぶして、帰ってしまう。