籠のなかの小鳥は

「ぁ・・・」
手から裳を取り落として、うつむく。


「———さいぜんから、髪や顔に触れていたのに、触れられるのは苦手なんだな、あなたは。
雷のことまで忘れてしまうほど」
顔をよせて、耳に言葉が注がれる。


顔に血が集まるのがわかる。


からかわないで下さい、と言おうとした刹那、頭上で雷が牙をむいた。

天が裂けるほどの雷鳴と衝撃に、小鳥は悲鳴をあげて昴にしがみついた。


怖い! 怖いっ!!

目に涙がにじんでくる。
わずかばかり恐慌の波がひくと、昴の腕に抱きしめられていることにようやく気がついた。

自分からしがみつくなんて———恥ずかしさ以上に、その腕の力強さや優しさに安堵が体に広がる。


昴は御簾ごしに、空を見すえながら一言、「近いな」とつぶやいた。
そのまなざしの射るような鋭さに、かける言葉を失う。