昴が激しい雷雨のなか、濡れることもいとわず来てくれたのだと、その水滴は小鳥に教える。
「これ、誰か・・・」
タオルをと言いかけて、言葉を探す。「紅絹の布を———」
よい、と昴が制す。
女房たちも怯えきり、それどころではないと察しているのだろう。
「あ、でも・・・」
思わず自分の裳を引っぱり、昴の髪や直衣をぬぐう。タオルとはいかないけど、薄物だから少しは水気がとれるだろう。
「・・・・・・」
という状態で、昴は小鳥のなすがままにさせている。
これが姫君として誉められた行為でないなら、自分は姫君失格なんだと思いながら。
もうよい、と昴が小鳥の手をつかんで止めた。
静かだが、有無を言わせない響きだ。
「これ、誰か・・・」
タオルをと言いかけて、言葉を探す。「紅絹の布を———」
よい、と昴が制す。
女房たちも怯えきり、それどころではないと察しているのだろう。
「あ、でも・・・」
思わず自分の裳を引っぱり、昴の髪や直衣をぬぐう。タオルとはいかないけど、薄物だから少しは水気がとれるだろう。
「・・・・・・」
という状態で、昴は小鳥のなすがままにさせている。
これが姫君として誉められた行為でないなら、自分は姫君失格なんだと思いながら。
もうよい、と昴が小鳥の手をつかんで止めた。
静かだが、有無を言わせない響きだ。



![he said , she said[完結編]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1737557-thumb.jpg?t=20250401005900)