籠のなかの小鳥は

昴が激しい雷雨のなか、濡れることもいとわず来てくれたのだと、その水滴は小鳥に教える。


「これ、誰か・・・」
タオルをと言いかけて、言葉を探す。「紅絹の布を———」


よい、と昴が制す。

女房たちも怯えきり、それどころではないと察しているのだろう。

「あ、でも・・・」
思わず自分の裳を引っぱり、昴の髪や直衣をぬぐう。タオルとはいかないけど、薄物だから少しは水気がとれるだろう。


「・・・・・・」
という状態で、昴は小鳥のなすがままにさせている。


これが姫君として誉められた行為でないなら、自分は姫君失格なんだと思いながら。


もうよい、と昴が小鳥の手をつかんで止めた。
静かだが、有無を言わせない響きだ。