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「姫様、お気をたしかに」
かづらが懸命に声をしぼっている。
気は確かだ。確かだと思うけれど、物理的に怖いものは怖い。
落雷が始まってからというもの、部屋の真ん中にふせて、袿(うちぎ)を頭からひっかぶっている。
「天帝のお怒りが」と女房たちも、大変なおびえようだ。
天帝の仕業かどうかはさておいても、雷の恐怖がこれほど身に迫るとは思わなかった。
雷鳴は、どんどん近くなっている気がする。
ここは避雷針もコンクリートの壁もない、木造100パーセントの寝殿だ。
ぜ、絶縁体・・・と部屋を見回したところで、この世界にゴム製品など存在しない。
かくなる上は、なるべく柱から離れて着ているものをかぶって震えているしかないのである。
「姫様、お気をたしかに」
かづらが懸命に声をしぼっている。
気は確かだ。確かだと思うけれど、物理的に怖いものは怖い。
落雷が始まってからというもの、部屋の真ん中にふせて、袿(うちぎ)を頭からひっかぶっている。
「天帝のお怒りが」と女房たちも、大変なおびえようだ。
天帝の仕業かどうかはさておいても、雷の恐怖がこれほど身に迫るとは思わなかった。
雷鳴は、どんどん近くなっている気がする。
ここは避雷針もコンクリートの壁もない、木造100パーセントの寝殿だ。
ぜ、絶縁体・・・と部屋を見回したところで、この世界にゴム製品など存在しない。
かくなる上は、なるべく柱から離れて着ているものをかぶって震えているしかないのである。



![he said , she said[完結編]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1737557-thumb.jpg?t=20250401005900)