籠のなかの小鳥は

おい、代わりをもて、と蘇芳が控える侍従に空になった飯椀をつきだす。

貴族階級では、口当たりが柔らかい粥を好むものも多い。だが蘇芳は、腹持ちが悪いと炊いた強飯(こわいい)を常食にしている。


「皇女も強飯のほうがお好きだそうですね。粥は病身のときに食すものだったとか。
朝から強飯をたんと召し上がっているそうです」
珀斗が頬をゆるめて言う。


「腹まで丈夫なんだな」

「姫君があまりにもご健啖、ご健脚だと聞こえが悪いと、典侍が嘆いておりましたよ」

「まぁいずれ子を生むことを考えれば、身が健やかなのは何よりだ」

「お気の早い」

「娘を一人ぐらい、お前の息子にやってもいいぞ」


皇女に似た姫君ならよいのですがねぇ、と珀斗が秀麗な眉をくもらせる。
「真っ赤な髪をした姫君の猛禽のような番に、わたしの息子がつつき回されるさまを想像するとですね・・・」

クックと蘇芳が喉で笑う。