「ぁっ・・・」
砂利に足をとられてよろける。
足が痛くなってきた。履いている女性用の沓(くつ)は、歩きにくいことこの上ない。
黒いなめし革でこしらえてあり、見た目はいかにも上品だが、実用性はゼロだ。スニーカーが恋しくなる。
お手をどうぞ、歩きにくいでしょう。
隣からすっと手が差しのべられる。
「あ、ありがとうございます」
しなやかな、その手をとった。
手をとり合って歩く二人を、昼なお深い青葉闇が包んでいた。
砂利に足をとられてよろける。
足が痛くなってきた。履いている女性用の沓(くつ)は、歩きにくいことこの上ない。
黒いなめし革でこしらえてあり、見た目はいかにも上品だが、実用性はゼロだ。スニーカーが恋しくなる。
お手をどうぞ、歩きにくいでしょう。
隣からすっと手が差しのべられる。
「あ、ありがとうございます」
しなやかな、その手をとった。
手をとり合って歩く二人を、昼なお深い青葉闇が包んでいた。



![he said , she said[完結編]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1737557-thumb.jpg?t=20250401005900)