「…」 深い夜。 月を失った星たちが、紅く輝く空。 四角く切り取られた宇宙に、世界が吸い込まれていく錯覚を覚え身動ぎすると。 ふと足元に重みを感じてそちらを見た。 「…ん…セレン…」 「…」 世界は今日も静かだ。 月夜の蝶は美しく。 闇夜に星は良く映える。 「…」 降る星光に押されて上体を起こすと、重みがもぞもぞと動いた。 「…ん…セレン…?」 美しい金色の瞳はこれ以上ないほど見開かれ、喜びに歪んだ。