「…あっ…と…?」
数分すぎたように思う。
へリオの中で叫ぶセレンと飛び出していったセレンが何度も再生された。
「追いかけ…るか?」
ウィングのそれを皮切りに、へリオは弾かれたように立ち上がりやっぱり店を飛び出した。
「おいセレン!!セレン!!」
夜の街に響く声が、酷く空しい。
続けて飛び出してきたウィングとアクアとキースに散らばるように指示し、へリオはキングに連絡を入れた。
「キング、キング!」
『何』
「今大変なこ」
『セレン君のことならここにいるけど』
へリオをさえぎってそう言ったキングは、心なしか冷たかった。
「そうなの!?よかった…じゃあすぐ迎えに」
『来るな。何したんだよ一体』
キングはそう言いつつ、ため息をついた。
『大分傷ついてる。ショックみたいだよ。会わねー方がいい』
「…うん。じゃあちょっと頼むわ」
通話を切って、へリオは溜息をついた。
「…何がそんなに怖かったんだか」
店の軒先の柱に頭を持たせかけて座り込んで、へリオはそう呟いた。


