ただ一言が





彼は無理やりな体勢を起こして私に向き合った。



「そりゃもちろん。」



「何の日?」



「まこの誕生日!」




もし犬だったら、今にもしっぽ振ってる感じ。

褒めて褒めてみたいなオーラで言ってくる。




「せいかーい。」



覚えててくれたんだ、と安心する。




「お誕生日おめでとう、まこ。生まれてきてくれてありがとう。」



「ありがとう…。」




胸にじーんとあたたかいものが広がる。