今日は休日だ。

「2人きりだな」

そう言った竜馬に、
「そうですね」

昨日買ったばかりのミステリー小説を読みながら私は言った。

家にいるのは私と竜馬の2人だけで、大河は対談の仕事があるからと言って出かけていた。

「久しぶりだな、こうして家でのんびりするのは」

「そうですね」

「半年前は騒動があって、解決するまで会社に泊まり込んでたもんな」

「そうですね」

その騒動があって会社が傾きかけたにも関わらず、竜馬は見事に元に戻したのだ。

さすが、“名取のドラゴン”と称されているだけのやり手社長だ。

「キスでもするか?」

「そうですね」

…んっ?