透真side


「...なんだけどね。って、ねぇ、とーまぁ?聞いてた?」


「あぁ、ごめんごめん。なんだったっけ?」



俺、蒼井透真は今日も多忙だ

一応進学校の無駄な7時間授業を終えた後
タラシとして女の子数人とデートをして帰る日々を
今日も卒なくこなしている

でも今日はいつもより目の前の女の子に集中できない


その理由は分かりきっている

席替えで隣りになった桐島ゆかりのせいだ

たった1人の女子に黄色い声を上げられなかっただけで
ずっと考えてしまう

ホントはこの原因の桐島さんについて

もっと考えたかったのに隣にいる女が邪魔をしてくる

やっぱりおかしい...

今までの俺なら何とも思わなかったのに

1人の女子についてこんなに真剣に考えたことなんかないし

ましてやデート中の女を置いてまでして...


今まで邪魔なんか思ったことは無かったのに

どうも今日は誰とも居たくない

できたら1人で桐島さんについてどう対応すべきか考えたい