あ、

軽音部のベースの…

そうそう、あの黒髪の男の子。
かっこよくない?

あ、

今目があった。
嬉しい。かっこいい。キラキラしてる。

これって、恋?憧れ?

でもさ、
あの男の子と付き合えたら
絶対嬉しいと思う。
ってことは恋だよね?

え、軽い?
なんで?
皆そんなもんでしょ好きになる理由なんて。

あ、あの子
そうそうあのバスケ部の
ワイシャツ肘の上まで捲っちゃってる

そう、その子。

無邪気で可愛いよね、ワンコ系っていうの?
この前体育の時に喋ったの。
すごい楽しくて、でもなんか恥ずかしくてドキドキした。
好きなのかも。

え?
おかしいって……なにが?

だってさ、仕方ないじゃん。
どっちにもドキドキしたし、
好きだなって思うんだよ。

どっちかに決めるなんて無理だよ。
どっちも好きなんだもの。

でもさ、
私だってわかってるんだよ、
常識的に考えてダメだーって。

てことはさ、
これって実は本当の恋じゃないの?

どきどきして照れて身体があつくなるの。
これって



って呼ばないの?

何が恋なの?

どう好きになったら恋なの?


わかんない。
わかんなかった。

この恋と認めたくない恋に出会うまでは。