学校が終わり、3人は家に向かっていた。
公園を過ぎた三叉路で、方向の違う里菜とさよならした。
さやかと二人になった。
 
『ねぇ、さやか。
受験勉強どんくらい頑張ってる?』
『んー、あんまりしてないよ。
宿題をきちんとして、それプラスの勉強はまだ始めてないよ。』
『私もー。なんか宿題したら勉強した気になるよね。』
『そうそう。大丈夫なのかな。』
 
さやかもあんまり受験勉強頑張ってないみたい。
少しほっとした。
 
『夏休みさ、テストいっぱいあるね。』
『だね。やばいなぁ。』
さやかは苦笑いした。
 
蝉はひたすら鳴き続け、真昼になった。
暑さが増してきた。