北原の顔が近づいてきて私はその行為を受け入れるかのように目を閉じた
彼の唇を私は受け……──
──入れる事なく手で塞いだ
「……残念ですかここまでのようですね」
部屋に私の声が静かに響く
「あなた方にはこれ以上私の舞台に立たれないで頂きたいのです」
「……何?」
意味がわからないかのように顔をしかめ、私の手を払った
「ですから、海竜の皆様には退場して頂きます」
ガシャァアアアアアアァンッ!!!!
私が言い終えると同時に何かが壊れる音が響き渡る
ドアの向こうが途端に慌ただしくなる
バンッ!!
「北原さんっ! [道化師]です!!!」
「──!」
部屋に入ってきた男の言葉に北原が何かを悟ったかのように私を見た
「……一つ、大事な事を言っておきましょう」
私は北原は頬に触れ、微笑んだ