「オォ、コワーイ」
僕はその場で棒読みした
そんな事をしても副総長は既にいなくなっているから意味ないけど
『弱者は弱者なりに地面に這いつくばっているのがお似合いなんだよ』
先程の副総長の言葉を思い出して笑いが込み上げてきた
──どっちが弱者なんだか
事実を知った上で地面に這いつくばるのはお前らなのに
まぁ、今は支配する生活をせいぜい楽しみな
「──あら、随分楽しそうだね」
コツコツと靴を鳴らしながら歩いてくる女性に僕は息を吐いた
「ちょ、ちょっと! あの子じゃないってわかるとあからさまな溜め息つくのやめてよ!」
慌て出した女性を見て僕は口角を上げる
「僕、華の敵じゃない人には何もしないんで安心してください」
「……それって少なからずあたしを認めてくれたって事?」
嬉しいね、と一言付け足して女性は僕の隣に座った