「──あんな事をされても私の事が気になるのですか? 錬さん」
「……」
入口から姿を見せたのはいつぞやの女嫌い
名前は錬……確か前に一回話をしたっけな
華が僕の背中に手を回したまま話しかける
「そういえばかなり時間も経過していますね。 そろそろ戻りませんと」
「……お前らはやはり繋がっているんだな」
「何を言っていますか? 私と天音は幼馴染みなのです。 繋がりがあるのは当然で「お前らは幼馴染みじゃないだろう」……」
的を得た一言に華は笑顔を浮かべたまま口を閉じる
あくまで幼馴染みは設定
……コイツはどこまで見破っている?
眼帯をしていない方の目で錬の様子を探る
「どうせ武瑠らに話した過去話も偽造なんだろ? 人を犬扱いする女のクセにやる事は達者だな」
──過去が偽造?
華の過去を知っている一人として今の言葉は聞き捨てられなかった