復讐に生きる



十秒以内と言う拷問みたいな呼び方ではなく至って普通に「理事長室へ来てください」だ


アナウンスを終えて担任が来るのを待った


「時に菊川さん」


「はい?」


「──君は一体何者だ?」


理事長の口調が変わった


心なしか室内の空気もピリピリしたものとなっている


こんな殺気で怯むほど私は弱くなんかない


「どこにでもいる普通の女の子ですが?」


「とぼけるな。 お前が纏う雰囲気は普通の女が持つものではない」


「ついにお前呼ばわりですか」


おかしくて思わず吹き出してしまった


「何がおかしい」


「いえ、申し訳ございません。 さすがだなとは思いまして……雷光-ライコウ-の先々代の総長さん」


私の言葉に理事長は目を見開いた


「そして今来る担任は先々代の副総長ですよね」


ガチャ


言い終わると同時に背後のドアが開いた


因みに理事長も担任も男性だ