「ホントカッコいいよね。 謎に包まれているけどそこもいいよねぇ」
真白のボキャブラリーのなさに笑いそうになる
「あ、ねぇねぇ華ちゃん、[道化師]って知ってる?」
「勿論知ってますよ」
「そっか、知らな……えっ、知ってるの!?」
皆が驚いた顔をして私を見ていた
「道化師ってピエロですよね? 私、サーカスが好きで…特にピエロのおどけ調子が見ていて面白いんですよね」
「「「「……」」」」
屋上がシンッとなった
「……どうしました?」
「……あ、そっか。 そっちの道化師だったかー」
「だよね。 華ちゃん僕達の事も知らなかったもんね、当然だよね」
本当は知ってますけどね
だけどここでの私は無知な少女なのだから、演じませんと
「だけどピエロなのは強ち間違ってないよね。 俺たちが言う[道化師]もピエロのお面つけてるしね」
祐哉の言葉はなんだか私をフォローするような言い方だった