突然、倉庫の扉が開かれる


彼らが自然と扉に目が向くのは当然の事


入ってきたのは奇妙な服装の人物


黒のパーカーに同色のズボン、首元には首輪みたいな物が付けられている


フードを深く被っている為、顔が分からない


「あぁん、何だきさまぁ」


「毒蜘蛛の私有地に入り込むとはいい度胸だなぁ」


何者かも知らない人物に下っ端の一人が近づいた


「とりあえず面見せろや」


人物の襟首を掴み、顔を上げさせた


──顔はピエロのお面に覆われていた


「コイツ、ピエロのお面付けてるぜ!」


「なんだぁ、ここでおどけに来たのかぁ~?」


下品な笑い声が再び倉庫に響く


だが、その笑い声は二度と戻ることはない


「は、ピエロ……?」


その中で冷静さを取り戻し口を開いた男が一人、次第に顔が青ざめていく


「おい、今すぐそいつから離れろ!!」


「どうした、酔いが回ったのかぁ?」


男の様子に気がつかない男はピエロの人物に顔をそらした