錬さんは祐哉の隣に座り、横目で私を見ていた
警戒はしているようだ
それからは下に降りて下っ端達と話をしていた
気がつけば時計は六時を過ぎていた
「すみません、私はもう帰らなければいけません」
「あれ、もうこんな時間!?」
「そうだよな、"家族"が心配してるよなー」
亮太の言葉に私は顔を伏せた
「──家族はいません。 私が幼い時にこの世を去りました」
「…………あ、ごめん」
「いえ、伝えていませんでしたから。 気になさらないで下さい」
弁解しても亮太は申し訳なさそうな顔をしていた
「じゃあ、華ちゃんはお家に一人ですんでるの?」
「今は私の他にも番犬が住んでいます。 私にしかなついてくれませんが」
「そっか! それなら安心ー……なのかな?」
話を聞いて真白は納得したようなそうでないような微妙な表情をしている