「あ~、思い出しただけで腹立ってきたぁー」
ギリギリと恨めしげに爪を噛む姿に私はクスリと笑い、飲み物を差し出す
「まぁまぁ、この辺で落ち着いてください」
「これが落ち着いていられるか! 華ちゃん、今るる子の策略に嵌められてるんだよ!? わかってるの!!?」
「それは大丈夫ですよ」
「華ちゃんわかってない!! アタシわかるの! るる子に雷光が骨抜きされてるんだよ! このままじゃ、華ちゃん大変な目にあうんだよ!! それでもいいの!?」
そんなの承知の上で大丈夫だと言ったんですが……
圭衣さんは私の肩をつかんでまで必死に訴えてくる
勝つの友人と同じ目にあわせたくないって気持ちが強いのだ
「──圭衣さんはいい子ですね」
「…………は?」
突拍子の発言にぽかんとした顔になった
「な、何いきなり」
「素直に今思った事を口に出したんですよ」
私はクスクス笑いながら、彼女の手に自分の手を重ねた