「……祐哉、どういう意味だ?」


「そのままだよ。 武瑠、華はここで待てと言われたらちゃんと聞いて待っていた、なのにるる子は付いていかせるの?」


「見ればわかんだろ!? 怖がってる奴を一人にさせられるかよ!」


「だから? 女の子の前で格好つけるのは構わないけど、守れない保証で周りを巻き込むのやめてくれない?」


「何だと!!」


俺は祐哉の襟首を掴んだ


祐哉は軽蔑を含んだ眼差しでジッと見据える


「お、おい、やめろよ! こんな時に喧嘩すんじゃねぇよ」


「その前に行かないと! 話は後にしてよ!」


亮太は俺と祐哉を交互に見てオロオロしだし、真白は話をそらそうと強気に出ようとする


「武瑠、何もしないなら離してよ」


「テメェ……」


拳を振り上げた途端に、バタバタと足音が幹部室の外から聞こえてきた


誰かが近づいてくる


ガチャッ……バタンッ!


俺が手を離す暇もなくドアが慌ただしく開いた