「……華、少し話したい事があるんだけど」


屋上のドアがしまり、私が階段を少し降りた所で祐哉が口を開く


顔が若干青くなっている


「まずは、ごめん。 華が探していた人物についてはもう少し待って欲しい。 ……錬が戻ってくるまでは」


「大丈夫ですよ。 私はいつでも待っていますから」


私の一言に祐哉は安堵の表情を浮かべた


雷光は一人欠けた状態で何もできない事も知っていますから


「教えてくれてありがとうございます。 ……ところで、まずは、と言っていましたが他にもあるのですか?」


「! それは……」


その後は口をモゴモゴさせてなにも言わない


あるならさっさと言って欲しい


暫くして、意を決したように祐哉は、


「──華はさ、武瑠の事どう思ってるの?」


「え? ご慕いはしてますよ、友人として」


「そっか……わかった。 だったら…………」


質問の答えにその場で俯いて二言、三言呟いた


「あ、止めてごめんね! じゃあ、教室行こう」


「? はい」


この時の祐哉の言動を理解する事はない


そのまま私は彼に急かされるように教室へと急いだのだった