……そういえば屋上に来るのは久し振りでしたね
頭の中で思いながらドアノブを回し前に力を入れる
ガチャッ……ギイィ……
少しきしんだ音を鳴らして屋上の様子を目の当たりにする
「──あ、華ちゃんだ!」
「いらっしゃーい! 何か食うか?」
屋上のドアを開けると真白と亮太が手招きをして迎えてくれた
「暫く振りですね。 この頃、皆様とご一緒できなくて少し寂しかったです」
「わー、僕も寂しかった~」
「俺もだぜ。 ほら、遠慮しないで食べてくれ」
寂しいだなんて思った事はない
ただ口に出しただけでもこの二人は共感し答えてくれる
手渡されたお菓子を口に含み、武瑠に視線を向ける
彼の腕にはるる子がしがみついており、近くに祐哉が座って二人の様子を見ていた
「武瑠、今少しよろしいですか?」
「なぁに、華ちゃん武瑠はい「あぁ、いいぞ」」
るる子がいいかけたのを武瑠が遮る
「場所移動するか?」
「あ、いえ……皆にも言うつもりでした。 実は先週から叔母との用事が済みましたのでこれから毎日倉庫に行きますね」
「! そうか」
「ですので……おこがましいですが、またバイクにのせて貰えますか?」
「あぁ、のせてやる」
そう言ってニヤリと笑った