『何があっても華の邪魔だけはしないでね』


彼の言葉が頭の中で何度も再生される


──やっぱり、アイツは何かをたくらんでいる


すぐにスマホを取り出して武瑠に電話をしようとした


だが、祐哉からのメールが来ている事に気付き、先に内容を見る


「チッ!」


それからの行動は速かった


スグにバイクが置かれている場所に向かう


急いで止めにいかなければ……!


バイクに跨がりアクセルをおもいっきり踏み込んだ


標準速度を大幅に越して走行をする


時間にすればあっという間


倉庫に着いてスグにバイクから降りて、扉に手をかけた


ギィイイイイッ


大きな音を立てて入ると下っ端達の視線が一気に集まった


「錬さん、遅かったですね! 今、紹介が終わった所なんですよ」


「めっちゃキレイな子でしたよ~。 菊川華さん、上品な振る舞いで思わず見惚れました」


「……っ」


急いだにも関わらず間に合わなかったか