「ご心配ありがとうございます。 ですが、私は皆様が想像している事とはされてはいませんよ」
「ホント? 信じてもいい?」
「はい」
笑うと圭衣さんは安堵の表情を浮かべた
「あ、もうそろそろ時間になるね! どうする? 戻る?」
「いえ、私は屋上に向かおうと思っています」
「わかった。……もしも何かあった時は言ってね! アタシじゃ力不足だと思うけどさっ!」
じゃーね、と手を振って圭衣さんは一人走っていった
「──さて」
彼女の姿が見えなくなった後、私はベンチから立ちあがり屋上に視線を向ける
雷光と私の関係についての噂が流れている
これはかえって好都合じゃないだろうか
雷光を陥れるために使えるかも知れない
「……けれどまずはるる子に忠告をしなければなりませんね」
これ以上好き勝手されないように
私は一人笑みを浮かべ、屋上へ向かった