それからるる子の行動は速かった
彼女の何かに彼らは徐々に惹かれていったのだろう
はじめは倉庫に私も連れていかれたが次第に彼らは彼女だけを連れていくようになった
倉庫に行かない、そう望んだのは私自身
けれどこんな形では迎えたくなかった
このままだと私が脚本した舞台はメチャクチャになる
計画が崩れる
何とかしなければならない
幸い彼女は私を"ただのか弱い女"だと認識し下に見ている
だが生憎、私は彼女が思うような人間ではない
何か手を打っておかなければ……
俯いて考える私の視界が唐突に真っ暗になる
「──だーれだっ!!」
無邪気な声に私はフゥ、と息を吐いた
「……もう、かれこれ何回目ですか? 圭衣-ケイ-さん」
両目をふさいだ手を取り、振り向く
活発な印象が強い彼女は髪を明るい色に染めて制服をある程度崩している
「あ、バレたー?」
「バレバレですよ」
私が苦笑いを浮かべると圭衣さんはケラケラ笑い、私の隣に座った
私がこの頃一人で行動する所を見つけ、声をかけられたのが始まり
以来、気に入られたのか昼休みになると一緒に座り話をするようになった