九月の新学期が開始し、早くも三週間が経った


まだ少し汗ばむ時期で秋が近づいているだなんて信じられない位だ


この頃から私は雷光と距離を取っていた


──取らざるおえなかった、と言うのが正しいかも知れませんね


この場所は屋上から離れた中庭


ベンチがあり、誰でも座る事ができる


「……」


私は屋上へと視線を移す


今頃"新しい姫"と和気藹々と屋上で過ごしているのだろう


天音の情報で知った事だが、錬さんは雷光を出たきり学校にも姿を見せなくなった


その事を新学期の日に聞いたところ、武瑠が体調不良と通していた


その嘘がいつまでも通じるかはわかりませんが


錬さんが抜けた席をどうするかを一度は考えたでしょう


普通ならそこそこ実力のある下っ端が不良を迎えるハズ


だが、何を間違えたのか彼らは何の実力もない女子生徒を二人目の姫に迎えたのだ