「まぁね。 今ので隠れていたと思うのならアンタって案外チョロいんだね」
「……!」
右目を手で覆ったまま笑っている
その状態でも彼には隙がなかった
「お前、何者なんだよ」
「幼馴染みって華が紹介したろ? 表面上ではね」
表面上?
「……どういう事だよ」
「ん? 僕が大人しく答えると思ってんの?」
「……」
大人しく答えるとは思えない
「一ついい事教えてあげる。 ──僕はお前らの事を知っている。 華は僕以上に……お前らの事を知っている」
真っ直ぐにオレの方に指を差してニヤリと口角を揚げた
「それと、何があっても華の邪魔だけはしないでね。 忠告したから。
──じゃあね、近い内に会おう」
ヒラリと手を振り、背を向けて平然と歩き出した
オレはその場に立ち尽くしたままでいた
「……どこまで、知っている?」
微かに震えたオレの言葉に誰も答えてはくれない


