「馬鹿みてぇだ。 いいようにされてんのを知らないでオレは……」


ポタッ


オレの目から涙が流れる


「オレは雷光を抜ける」


力ない声でオレは言った


「ち、ちょっと待ってよ! 華ちゃんの件はどうするの!?」


「そうだよ、錬がいなくなったら一気に戦力が落ちてしまう!」


「言えないのは謝るからさ! 抜けるなんて言わないでくれっ!!」


真白、祐哉、亮太はオレを引き留めようと必死になる


けど、それはオレのためではない


「何でもあの女を優先すんだな! だったらオレ抜きでもやれんだろうがっ! 幹部"四人"がな!!!」


言葉の四人にオレは含んでいない


何も言わなくなった三人を押し退け、オレは幹部室を出る


「あ、錬さん、今から対戦しません?」


「それとも何か食いますか? 武瑠さんが買ってきてくれたんですよ」


階段を降りたところで下っ端に声をかけられた


「いや、オレは帰る。 後は頑張ってくれ」


「? は、はい」


扉を開けてオレはバイクには乗らずに帰った