「──オレは、道化師なんか認めねぇ。 素性すらわからない奴に雷光を任せられるかよ!」


「錬、今は任せるとかの問題じゃねぇ。 これは、華の為なんだよ。 アイツに希望が戻るならどんな手でも使うさ」


「……うん。 [道化師]の強さは未知数だからもしかしたら対抗できるかも」


「佑哉……お前も武瑠の意見に賛成するのか?」


「雷光に勝利の可能性があるなら、例え目の前に普段役立たない物があっても手を伸ばすよ」


「……」


──一通りの会話を聞いてから、私はドアから降りて静かに階段を下りた


「すみません、私は今日はこれで失礼します」


「え、華ちゃん、もう帰るの!?」


「マジかよ、来たばっかってのに?」


下まで降りると下っ端達と話をしていた真白と亮太が近づいてきた


「家での用事が残っているのです。 武瑠にもきちんと言いました」


「そっかぁー、ホントは送っていくべきなんだけど、まだ、終わらなくて……」


「いえ、問題ありません」


「気を付けてな? 最近、奇襲もなくて平和だからってつけられたりすんなよ?」


「はい、ありがとうございます。 気をつけて帰ります」


上部だけのお礼を言ってから私は彼らに見送られて倉庫を後にした