ディスプレイを見ると【武瑠】の文字が


「……」


無視をしようかと考えたが、何分今日の私は機嫌がいい


ピッ


「……もしもし、どうかしましたか?」


『華、聞いてくれ! いい知らせだ!!』


通話越しだと言うのにつんざく程の不快な大きな声


興奮する位にいい事なのだろうか


「お、落ち着いてください。 何があったんですか?」


『それは倉庫に来てからのお楽しみだ!! 今から迎えに行く! 待ってろよ!!』


「え、ちょっ……」


ブツッ


「……」


耳元でツーツーと音がなっている


人の事を顧みずに倉庫に来いですか……?


きっと断っても強引に連れて行こうとするだろう


「…………本当に身勝手な男ですね」


軽蔑を表すかのように低く吐き捨てた


まぁ、日改めて倉庫にいかなければなりませんから、それが速くなったとなればそれはそれで片付けられますから


それが、雷光からの連絡となれば話は変わる


兎に角、今は武瑠が来るのだ


「──天音、私は倉庫に出掛けてきます。 家の事を任せてもいいでしょうか?」


「うん。 気を付けてね」


天音に見送られて私は家を出た





























「──ホント、昔から変わらないね。 ……武瑠は」


天音が家の中で一人呟いていた事を私は知るはずもなかった