後、天音という男…アイツは依頼された時からあの女の側にいた
アイツも変わらない、周りは全て敵だというように殺意を向けている
そういえば、あの女は言っていた
『舞台はこれで整いました。 後は、どう展開していくかは私次第です。 ですから、剴は気にせず依頼をこなしてください』
あの時、意味がわからないと思っていたが今となっては理解している
"菊川華は舞台という名の現在をシナリオ通りに生きている"
オレは、地面にタバコを落とし、足で踏みつけた
「今日は終わりだ。 お前ら、帰るぞ」
「「「はいっ!」」」
ふと、夜空を見上げ、息を吐く
嫌でも過ぎる一日をオレはあの女の掌で踊らされる
あの女を理解し難い状況で何度も依頼をこなさなければならない
この釈然としない気持ちを腹立たしくも、押さえ込むようにオレはその場を後にした
side end.