ガチャッ
「ただいまー!」
真白と亮太が戻ってきたのは十分後
錬さんは戻ってくる事はなかった
今なら武瑠の要求に答えられるかもしれない
「……あの、私、姫になります」
武瑠が断言したんだ
断る雰囲気じゃないだろう
それに一つの作戦になるとわかったからだ
恐る恐るを装い、答えると皆は喜んで認めてくれた
それから学校をでてバイクが並んでいる駐車場に連れてかれる
誰のバイクに乗るかの話が出て、私は祐哉のバイクに乗る事にした
皆の性格から考えての結果だ
バイクに乗れない私を乗せて彼らは雷光の倉庫に向かったのだ
──私の思い通りになっていく
形はどうあれ、近づく事ができたんだ
武瑠、祐哉、真白、亮太……覚悟なさい
必ず復讐してやりますから
罪悪感に苛まれて絶望すればいい
それまで私の心は揺らぐ事はないのだから
決して、ね……?