ただし、それを行うのは私ではない
コンコンッ
「──華、入るよ」
お風呂上がりの天音が部屋に入ってきた
「丁度良いところに。 天音には今行っている事に加えて頼みたい事があるのです」
「別に構わないよ」
了承を得て、私は天音に頼みたい事を話した
「……わかったけど、彼って案外手強いよね? 華に限らず僕も警戒されてるし」
「方法は天音の好きなようにして構いません。 目的は錬さんを雷光から引き離すだけですから」
「うん、とにかくやってみるよ」
「ありがとうございます。 ……では、私も少しずつ雷光の倉庫へ行きましょう」
別荘以来から一度も行っていない
さすがに行かないと皆の信頼を薄くしてしまう
……本当は行きたくもないんですが、仕方ありません
最後に、と雷光に向けてメールを送った
これで雷光はどうなるやら
それがわかるのは明日だ
「──天音、お腹がすきました。 何か、作って下さい」
私はパソコンを閉じ、笑顔で天音にお願いをした