「それなら、ぼくが腕利きのよい清掃員を派遣しよう。 何せ完璧で仕事も早いからな」
「それはお断りします。 あの家はお父様とお母様の思い出と宝物があるんですよ?
……それを盗られてしまったら大変ですから」
華の言葉で病室が静まり返った
あたしは瞬時に悟った
──華は親族達の裏を知っている
「まぁ、そんなに驚く事ですか? まさか、何も知らない子どもに的確な事を言われるとは思いませんものね」
「そ……んな、事は「ありますよね? だって、あなた方はお父様と同じように私に媚を売っていますから」」
華は笑っていた
まるでクイズを推理小説の答えを予想するかのように楽しんでいた
だけど、この時の華の笑顔の違和感に気づいた
よくわからないけれど、笑顔に"憎しみ"と言うものを感じた
誰に対してなのかわからない憎しみを裏腹に華は笑っていたのだ
あたしは何も言えなかった
親族達が何かを言って病室を出ていったが何を言ったのかが頭に入っていなかった
恐らく、八つ当たりだろうけど


