「──雷光だけに光の速さで帰ってった」
「……叔母にしては面白くない冗談ですね」
カチカチとトングを鳴らしながら私の隣に来た
私の顔には既に"笑顔"といったものはない
「せめて嘘でも笑ってよ。 アイツらの前でさえニコニコなのに……」
「あれは偽り、ですよ。 あんなものは叔母には、見せたくありません」
「……」
私の一言に叔母は黙り込んだ
「私が彼らの前でこの顔になるのは"復讐を果す時"です。
……天音を呼んできます。 これから、本当の休暇を始めましょう」
「……」
叔母に背を向けたのは顔を見たくないからだ
「……華、──」
叔母が何かを言っていたけれど聞かなかった事にする
「──あたしはどんなときでも華の味方だから……やめたいなら、今の内だよ」