──カタカタカタッ……カタッ


深夜の時間帯にキーボードが叩かれる音が響く


そこには画面に打ち込む少女と離れた場所から眺める少年がいた


──カタンッ


「……ふうっ」


終わりとでも言うように思いきり叩いた後に一息ついた少女


「──で、次は何をするの?」


頃合いを見て口を開いた少年へ少女が微笑んだ


「──それは、彼らに束の間の休息を与えるのですよ。 それは私達でいう"夏休み"というものです」


「ふーん」


「……まぁ、"束の間"ですから」


クスクスと少女は滑稽だと笑う


「さて、目的の為にも準備しませんとね」


「……」


少女の呟きは少年の耳には届いていた


少年は何も聞いていないかの素振りで目を閉じたのだった