恋を届けるサンタクロースvol.1~沙希~

 あたしの頬がカーッと熱くなった。

「やだ、佑樹のエッチ!」
「なんだよ、それ。俺だって男だぞ!」
「そうだけど」

 あたしは佑樹をチラッと見上げた。

「いつまでもキスだけじゃ我慢できない」

 あまりにストレートに言われて、耳まで熱くなる。

「沙希はイヤなの? 沙希がイヤなら……」
「イヤじゃないよ」

 あたしは小さな声で答えた。

 イヤじゃない。

 それに、ケンカする前は、佑樹とそうなるのはクリスマスイブがいいなって思ってた。

 佑樹がそっとあたしの右手を握る。ふたりで並んで歩き出したとき、目の前にふわり、と白いものが落ちてきた。

「あ、雪!」