恋を届けるサンタクロースvol.1~沙希~

「ありがと! ありがと、佑樹!」

 佑樹の呆れたような笑い声が降ってくる。

「まだ中身、見てないのに?」
「違うの。今日、来てくれて」

 うれしくて、胸がいっぱい。胸がはち切れそうって、きっとこんな感じなんだ。

「佑樹、大好き」
「俺もだよ」

 佑樹が言って、へへ、と照れた笑い声をあげた。

「でもさ、そのトナカイのコスチューム、いいかげん脱がない?」

 佑樹に言われて、あたしはあわてて体を起こした。

「うわ、恥ずかしっ」

 鼻に赤いスポンジまでつけてたのを忘れてたっ。

「いや、かわいいんだけどさ、それ、キスするのに邪魔だから」

 佑樹があたしの鼻をつんとつついた。

「もう、佑樹ってば」
「待ってるから着替えておいでよ」
「うん」