「男のサンタさん、いませんでした?」
「いないわよ。斜め向かいのライバル店にはいるけど」
言われてあたしは店の外に出た。たしかに車道を挟んだ斜め向かいもケーキショップで、そちらは残っているケーキを売るために、男子大学生のサンタが声を張り上げている。
おかしいなぁ。
絶対いたはずなのに。
首を傾げながら店内に戻ろうとしたとき、遠くからあたしを呼ぶ声が聞こえてきた。
「沙希!」
驚いて振り返ると、手を振りながら歩道を走ってくる佑樹の姿が見えた。
「佑樹?」
佑樹はあたしの前まで走って来て、膝に手をあて、息を切らしながら言う。
「沙希は……バイト、終わった?」
「え、あ、うん。今から着替えるとこ」
「そっか、よかった。じゃあ、今から一緒に過ごせるな」
「今から一緒に?」
どういうこと?
「いないわよ。斜め向かいのライバル店にはいるけど」
言われてあたしは店の外に出た。たしかに車道を挟んだ斜め向かいもケーキショップで、そちらは残っているケーキを売るために、男子大学生のサンタが声を張り上げている。
おかしいなぁ。
絶対いたはずなのに。
首を傾げながら店内に戻ろうとしたとき、遠くからあたしを呼ぶ声が聞こえてきた。
「沙希!」
驚いて振り返ると、手を振りながら歩道を走ってくる佑樹の姿が見えた。
「佑樹?」
佑樹はあたしの前まで走って来て、膝に手をあて、息を切らしながら言う。
「沙希は……バイト、終わった?」
「え、あ、うん。今から着替えるとこ」
「そっか、よかった。じゃあ、今から一緒に過ごせるな」
「今から一緒に?」
どういうこと?


