好きやった。



「オッケー。じゃああたし、先に着替えに行っとるね」

「えっ! ちょっ、留美……!?」


ウチの意思とは関係なしに了承した留美が、ウチと月島の横を通過して倉庫の出入り口に向かった。

留美を引き止めようと、月島の腕の中から抜け出そうとじたばた暴れるけど、ちっともそれは効果をなさない。

顔だけをなんとか留美に向けるけど、ウチが口を開く前に留美が言った。


「二人とも、ちゃんと仲直りするんやで?」


仲直りって……。

軽い喧嘩とかじゃないのに、そんな簡単にできるわけないやろ。

ウチが月島との間に作ってしまった溝は、そんな可愛らしいものじゃない。

元に戻すなんてこと……できやんよ。

留美は新しく二人の関係を築けばいいと言っていたけど、それもできるかどうか怪しいし……。


これからのことをもやもやと考え込んでいる間に、留美はさっさと倉庫から立ち去ってしまった。

ドアも閉められて、狭い空間に月島と二人きりになる。


「……」

「……」


薄暗い蛍光灯の灯りがちかちかと点滅している。

お互い黙ったままだ。そして相変わらず月島には抱き締められたままで、ウチはどうすればいいのかわからなかった。

それでも心は正直で、嫌でもこの状況にいち早く反応してしまう。頭で考えるよりも先に。


「……なあ、ええ加減離してよ」


目の前の薄く見えているのに意外としっかりしている胸板を両手で押す。

そのぬくもりや背中に回っている腕の力強さにドキドキしながら、びくともしない月島の身体を懸命に押し続けた。