「なあ、ほんまにこのままでええの?」
部活終了後に道具を館内倉庫に片付けていると、今日何度も聞いてきたような質問をされた。
ボールが入ったカゴを倉庫の端に寄せてそちらを見る。
ゼッケンが入ったカゴを置いた留美が、呆れたように息を吐いた。
「結局、なんも状況は変わっとらんやん。亮子も月島も、わざとらしいぐらいお互いから目を背けとるし。今日まだ一言も喋ってへんやん」
友達をやめたくないという本音を認めても、関係を修復しようと行動には移らないウチに、留美はやきもきしているようだった。
確かに今日は留美の言う通り、目も合わせていないし口もきいていない。
月島は、昨日のウチの言葉を聞き入れてくれたのだろう。
いつもなら練習の合間や休憩中に声をかけてきたけど、今日はそれが一度もなかった。
かつてウチが望んだことを月島は実践してくれているだけだし、友達をやめるっていうのはこういうことだけど……。
本音を認めてしまったウチには、余計につらくなる状況だった。
「もう、状況は変わらんと思う。……月島はきっともう、友達に戻りたいって思ってないやろうから」
今日の月島の態度を見てわかった。
月島にとってウチはもう……友達じゃない。
だけどウチはやっぱり……。
「……友達、やめたくなかったなあ」
本音がぽつりとこぼれる。
肝心なときに素直になれない自分を悔やんだ。
唇を噛みながら悔しさに耐えようと立ち尽くすウチに、留美が労るような目を向けて一歩近づいてくる。
でもその動きが途中で不自然に止まった。留美は視線をウチの背後に向けて固まっている。
……と、そのとき。



