好きやった。



「でも……ウチの気持ちは、アイツを困らせるだけやから」


アイツを好きやと思う気持ち。
あの子を羨ましいと思う気持ち。
本当は……ずっと友達でいたいと思う気持ち。

言えばすべてアイツを困らせるから、かき消そうとしてきた。

でも実際はどこかに捨てることもできずに着実に溜め込んでいただけで、結局はアイツの前で衝動的に漏れだしたそれを、好き勝手伝えてしまっただけだった。


「強がるのも、そろそろやめたら? どうせすぐに揺らいでしまうなら、気持ち偽っても無駄につらいだけやよ」

「でも……」

「アイツを困らせたくないなら、正面からアイツと向き合うのも必要なんちゃう? 亮子、アイツの気持ちは何も聞いてないやん。アイツの方は、亮子と友達やめたくないって思っとるかもしれんやん。それやのに勝手に友達やめるとか決められたら、その方がアイツ困るに」


確かに、そうかもしれないけど……。

力強い留美の言葉にたじろいでしまう。するとさらに言葉を畳みかけられた。


「そりゃあ気まずいやろうし、アイツも亮子も最初は普段通りに仲良くできやんかもな。その状況に困らんとは言いきれやん。けど、必ず困るとも言いきれやんやん」

「……」

「友達なんやろ? お互いの本音を知ったぐらいで、簡単に壊れる関係とちゃうやろ? 元通りの関係がすべてじゃないよ。上手くいかんでも、またそこから新しく二人の関係を築けばええ」

「……うん」

「ただ好きやから仲良くしとったんちゃうやろ? 友達として今まで一緒におったんなら……その時間に芽生えた友情は、きっと無駄じゃないに」


留美がそう言い終えたタイミングで始業のチャイムが鳴り、留美はウチの肩を励ますように叩いてから自分の席へ戻っていった。