じわりと、熱い滴がブレザーの生地に吸い込まれていくのを感じた。
留美がそっと頭を撫でてくれて、その温かさに涙と気持ちが溢れてくる。
また強がってついていた嘘の仮面が剥がれ落ちて、本当は弱虫な本音が顔を出す。
「……ほんとは、やめたくない」
「うん、きっとそうやと思ってたよ」
「でもウチ……月島のそばにおれやん」
「それは亮子が勝手に思とるだけやろ? 月島に拒否られたわけやないんやし、今まで通りにしとったら?」
「やけど……コクってしもたし。アイツ、明らかに困ってた」
ちゃんとした告白の返事は聞いていない。
だけどアイツにはあの子がいるし、あのときのアイツの困惑した表情を見れば、嫌でも自分の告白が無意味だったと思い知らされた。
「気まずいままで友達続けても、きっとあとでもっと気まずくなってくる。もう……そんなことでアイツを困らせたくない。友達でおりたいけど……アイツを困らせる自分は嫌や」
ブレザーの袖で涙を拭い、そろりそろりと顔を上げる。
昨日散々泣き腫らした瞼が、ちょっとの涙で熱と重さを帯びていく。
「ウチ、わがままやな」
「恋なんて、いつだってわがままなもんやに。でも亮子は、ちゃんとアイツのことも考えとるやん。それはええことやと思う。でも、ちょっと強がりすぎやな。本当の気持ち、隠してばっかりやん」
留美の言葉は的を射ていて、ずきずきと心に刺さってくる。



