好きやった。



正直なところ……くだらんことやなって思った。

彼女が泣いてたし、月島もものすごく思い詰めた様子だから、てっきりもっとひどい何かが二人の間に起こったのかと思ったけど……。

なんや、そんな大した喧嘩とちゃうやん。

仲良くしてる二人の姿しか見たことなかったから、二人のただならぬ様子に心配もしたけど……なんか、バカらしい。

そう思ったら、心の奥底で煮え立つものを感じた。どろどろとした嫌なウチの考えが表面に滲み出てくる。


「……月島は、ちゃんと謝ったんやろ?」

「もちろん謝ったさ。でも美亜のやつ、イブもクリスマスもデートできやんのは嫌やって言い出して……」

「彼女それ、ただのわがままやん」


――ああ、ウチは何を言っとるんやろう。

そう思ったときにはもう遅くて、口からどす黒い感情をまとった言葉が次から次へと飛び出していた。


「そりゃあ、月島が予定確認しやんと約束したんも悪いけどさ。できやんもんはしゃあないやん」


ずっと感情をせき止めていたストッパーが壊れたように、自分の口は動き続けた。止める方法がわからない。


「デートしたいんなら別の日にすればいい。どうしてもクリスマスに会いたいなら、丸1日のデートじゃなくても、部活終わってから会いに行けばええやん」


クリスマスに好きな人と過ごしたい気持ちぐらい、ウチだってわかっとるつもり。

でもいくらデートしたいって思っても、部活があって休めやん状況ならしゃあないやん。

それでも会いたいなら……時間を見つけて、短い間でも会えばいい。

融通きかせるべきや。