「嫌われたって……月島、彼女になんかしたの?」
聞いてもいいのか迷いもしたけど、一応尋ねてみる。こんな状態の月島を見るのは初めてで、放って立ち去るなんてこともできなかったから。
返事がないことも考えたけど、顔に手を押し当てたまま、月島はぽつりぽつりと話してくれた。
「……俺が悪いんや。予定も確認せずに、約束しちまったから……」
「約束……?」
「クリスマスの日、美亜とデートの約束しとったんやけど。よくよく考えたらその日、部活があったんや。そのことに気づいて美亜に話したら、喧嘩になった……」
顔から手を離して、月島が重苦しいため息をこぼす。
あからさまに落ち込んでいる月島を見ながら、頭の中で、先日顧問から受け取ったバスケ部の冬休み中のスケジュール表の内容を思い浮かべた。
他の部活と調整する加減で、体育館の使用日は男バスと女バスは同日同時間帯になっている。それゆえに活動休日日も被っているのだけど……。
25日は確かに部活があった。でも……。
「クリスマスイブにデートしたらええんちゃうの? その日は1日オフやろ?」
「それが無理なんや。美亜が吹奏楽部として、近くの公民館でクリスマスコンサートするから。しかも午前と午後の2回公演やし……。クリスマスやったら、美亜は1日休みやったんやけどな」
そこまで言って、月島がまたため息をつく。
なるほど、1日オフの日がお互いずれていたというわけか。
「そんなにため息ばっかりついとると、幸せ逃げるよ?」
「俺の幸せは、さっき美亜に嫌われた時点で終わっとるわ……」
「嫌われたって……ただの喧嘩やん」
ウチは呆れたと言わんばかりに息を吐き出した。



