……まあ、そういうウチも、ミニバスをやり始めた当初は留美と同じで興味なかったけどな。
バスケ雑誌を読むのが趣味なアイツに影響されて、いつしか読むようになっていただけ。
……ほんまウチ、趣味まで影響されるとか、どんだけアイツのこと好きなんやろなあ。
好きすぎて、ちょっと嫌になるわ。
こりゃあ当分の間、アイツへの気持ちを消すのも一苦労するなと実感して、自嘲気味に小さく笑った。
図書室の雑誌コーナーの一角。
図書室に到着するなりそこに向かったけど、先客がいた。しかもその正体が、ウチが一番会いたくないと思っているカップルだったから無駄に驚いてしまう。
そこにいたのは……月島と彼女だった。
しかも二人が立っているのは、スポーツ雑誌が並べられているラックの真ん前だった。
何やら親密に顔を寄せて、その場で開いた雑誌を読んでいる。
遠目で見てもわかった。あれはウチが読もうとしていた雑誌。
この雑誌が一番技の説明が上手いと、いつだったかに月島が薦めてくれたアイツのお気に入りの雑誌。
アイツに影響されて、ウチまでお気に入りになっていたものだった。
「この雑誌、めっちゃ技の特集しとってな。俺が一番気に入っとるやつなんさ」
「ほんとだー。写真も細かく載っててわかりやすいね」
ウチにしてくれた話を、今アイツは彼女にも話していた。
別にウチとアイツだけの秘密の話だったわけじゃないけど……なんでかな、ちょっと寂しい。
アイツとウチの接点であるバスケの話まで彼女のものになっていくのかと思うと、無性に胸の奥がざわつき始める。



