でも……アイツに悪気なんてないんやもん。
アイツがウチの嫉妬と後悔でぐちゃぐちゃになっている内心を知っているわけじゃないし、アイツが好き勝手に彼女の話をするのも自由なことだ。
ウチが勝手に、それに傷ついているだけ。
だからアイツがいくら鈍感野郎だったとしても、それを責めることも、話を聞かないなんていう反抗もできない。
それに……。
アイツはウチを友達として、心を許してくれている。
だからこそ彼女の話だって、なんでも教えてくれるんだ。それぐらいウチを、アイツの親しい友達として認めてくれている。
そんなアイツを、ウチも大切にしたい。好きな人ではなくて、心を許した友達として。
だから結局、今のウチができることは一つだけだ。
これからも、月島の話を聞く。ただそれだけ。
アイツへの恋心を消せる日まで。
何を聞いても傷つかないようになる日まで。
アイツの恋を、心からよかったと祝えるようになる日まで……。
今までと変わらず、月島の話を聞きながら。少しずつ、アイツに抱く気持ちを変えていけばいい。
友情に絡まった恋愛感情を、徐々に解いていくんだ。
想いを伝えない代わりに、れっきとした月島の親友になれるように……。
それまではしばらく耐えよう。
それしかもう、ウチには道がない。
そう、自分に言い聞かせた。
×××
お弁当を食べ終えたあと、図書室に足を運んだ。
目的は図書室にあるバスケ雑誌の新刊を読むため。毎月楽しみにしている雑誌を、今月はまだ読めていなかった。
ちなみにいつも留美も誘っているけれど、毎回断られてしまう。同じバスケ部でバスケも好きだけど、雑誌にまでは興味がないらしい。



